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読書録『冬蛾』

柴田哲孝の神山探偵のシリーズ。祥伝社文庫『冬蛾』。
神山はそんなに好きなキャラじゃないんだけど、
勢いよく買っちゃったんだもの。

依頼は雪に閉ざされた会津の寒村で起きた、事故の調査だった。
そこで目にした過去の陰惨な事件の痕跡。
次々と明らかになる連続大量殺人事件! 犯人は村人の中にいるのか。
古くから伝わる昔語りに隠された歴史の闇とは!?
残酷な悲劇の連鎖の謎を、解き明かすことができるのか!
(Book Walker よりあらすじ)

横溝せんせ~い!
と、叫ぶといきなりネタバレになっちゃうけどもさ。
いや、八墓村の代わりに、七ツ尾村って、あなた……
しかも平家の落人を殺して財宝を奪って、って……
神山探偵は真面目に謎解きをしようとしてるんだろうけども、
読者にはざっくり見えちゃうわけよ、
横溝パロディ、いや金田一の本歌取りってことが。

いや、でも、横溝作品はキャラクターたちのモチベーションが
私には全然わからなくて、
映画もB級ホラーとしか思ってないんだけども、
『冬蛾』なら、人の心の動きはわかったよ。

蛾のモチーフは生かされてなかったけど、
ちゃんと犬も、出てきたし。
そっか、前の二作、「渇いた夏」と「早春の化石」は
フィリップマーロー気取りが鼻についてしょうがなかったのに、
この「冬蛾」はそうでもなく、「漂流者たち」では気にならなかったのは、
神山健介っていうキャラクターが、今の世の中に合うように
調整されていったから、だったんだろうな――と思う。
ただ、漂流者たちは、漂流者たちで、東日本震災のショックが抜け切れてなくて、
お話よりも「作者の主張」になってて残念だった。
だから今のところ、このシリーズの中で一番のお勧めは、
この『冬蛾』です。

横溝先生っ だけども。

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GreenZebra2008

Author:GreenZebra2008
私の生活は「科学(仕事)」と「育児(家庭)」と「アーサーラッカム(趣味)」なのですが、子供は育ち、趣味は少しずつ変動し、仕事はそのまま続いてます。理屈っぽい割にいい加減な奴です。

**他ブログから移植したので、過去記事の画像や書式が乱れて見苦しい部分があります。

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